9月17日 雨

昨晩から降り出した雨は今日いっぱい続くようだ。
残念ではあるが人が少なそうなので案外いいかもしれないと思い、もう一度中禅寺湖へ向かう。
実際昨日とは打って変わって人がおらず、今日は大きい観光バスにもかかわらずガラガラで快適といえば快適。



中禅寺温泉で1人降り、二荒山神社中宮祠へ向かう。
標高が高いからか風があり結構な濡れ鼠具合になってしまった。



人も少ない境内…と思っていたらバスツアーの団体が来たりもした。





この奥に続く登山道から男体山山頂の奥宮へ行けるのだが、今日のような天気では無理だろう。
いつか行ってみたいものだ。

隣にある撮影禁止の宝物館にも入った。
男体山山頂に建っていたが東日本大震災で倒れた巨大な鉄製の刀身の展示があった。
刀剣や国立博物館に貸し出し中の品や伊勢神宮下りの品、祭で使用する神輿など、珍しい展示内容で興味深かった。



2年前にゆばソフトを買ったいろは会館で昼食。精進料理のいろは定食で温まる。

下りのバスに乗り、田母沢御用邸記念公園前で降りる。



日光田母沢御用邸。
明治時代に建てられた後、皇室の静養地として利用された屋敷で国の重要文化財になっている。
各部屋に詳細な解説があり、皇室文化や建築技術を知ることができる。





何気ないインテリアがものすごく豪華。



障子の引手や畳縁ひとつにも細密な細工があって気が遠くなる。







御玉突所(ビリヤード部屋)



謁見所。部屋の構成や建材、用途など説明版にない解説をしてくれるのでスタッフの方の説明を聞いておくべき。
玉座は実際は座って使われることはないそう。



草薙剣と勾玉が配置されていた剣爾の間。



皇居の三種の神器のある方角を拝むための御日拝所。



屋根の銅板はひとつながりになっている(!)





御食堂



皇后御座所。畳縁の萌黄色は皇后の色だという。



御湯殿。かけ湯だったそう。

貴重な品々を見て回れていい施設なのだが、来場者のマナーの悪さが気になってしまった。
触らないようにと注意書きがあるものを平気で触ったり踏んだり、スタッフが解説している隣で話を聞かずに大声で私語したり…
日本人ですらこの調子では外国人が来たらどうなってしまうのかと不安を覚える。入場料も安いし…
お節介ながらもっと厳重に監視をしてもいいのではないかと感じた。



隣のお休処で抹茶と塩羊羹のセットをいただく。なんとなく抹茶があると注文せずにはいられない。



近くの金谷ホテル歴史館にも足を運ぶ。



レストランから資料館への通路が出ている。
この奥のドアから創業者金谷善一郎の、ホテルの元となった金谷侍屋敷に入れるようになっている。
武家屋敷らしい構造や、滞在したイザベラ・バードの手記がおもしろい。

次は小杉放菴記念日光美術館へ向かう。
距離があるのでバスを待ちかけたが、いつ来るかわからないしどうせならと歩いていくことにした。



途中あった本宮神社の入り口にひかれて階段を上がってみた。







雨足が強まりなかなかの水浸し具合なためか人影は皆無だった。
水たまりをよけながらなんとなく一回りした。



閉館まで1時間もない16時過ぎに美術館に着いた。
小規模ながらきれいな建物だった。
この日は母校の名誉教授でもある入江観氏の企画展が開かれており、拝見してきた。



17時、明治の館前。
帰りの特急まで時間があるのでここで食事にしようかと思っていたが、それほど空腹でもなかったのでまたの機会にと思いやめにした。



昨日は人だかりができていた神橋も今日は無人。
観光地でも天気が悪いとこうも人がいないものなのかと新鮮に感じる。

駅までの参道沿いの店にでも入ろうかと考えていたが、人の居なさにどこも早くに閉店しており静まり返っていた。
仕方ないのでひたすら直進。



かろうじてまだ開いていた駅前の明治の館で、閉店の18時までを過ごした。
やはりもうどこにも人がいない。
常々人がいない場所に行きたいと思っていたが、観光地に人がいなさすぎるのも寂しいものだとわかった(笑)

 

とはいえ、予定していた行きたい場所を巡ることができて満足した。
また天気がいいときに来てみたい。



そして今回のクエストの裏テーマであったミッション「鹿の角を入手する」も達成できた。
2年前に見てから「また中禅寺湖に行くことがあって、しかもまだ売られていたら今度は買おう」と思っていたのだった。
いきなり来てすぐ買う宣言をした奇妙な客の取り置き願いを聞いてくださった物産店さん、ありがとうございました!